2018年4月17日

校長Blog ☆北稜NOW☆ 第16号

【第15回入学式】4月から、富士北稜高校の校長を務めております、羽田孝行です。よろしくお願いします。4月10日(火)、第15回の入学式を挙行しました。厳粛な中にも心あたたまる入学式となりました。関係のみなさまの心尽くしに感謝いたします。

252名の新入生諸君が、人間的に成長し、次の進路に向けて意欲をもって進んでいくことができるよう応援したいと思います。

 

<入学式式辞・全文>

式辞

寒さ厳しき、この富士北麓の地に、光あふれ、草萌え出づる季節がやって参りました。

この度、

「平成三十年度 山梨県立富士北稜高等学校 入学式」を挙行いたしましたところ、

山梨県議会議員 早川 浩(はやかわ ひろし)様をはじめ、多数のご来賓の方々、並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、厳粛のうちにも、心温まる入学式が挙行できますことは、わたくしどもにとりまして、大きな喜びであります。

ご臨席の皆様には、心から御礼申し上げます。

先ほど入学を許可いたしました、252名の新入生の諸君、入学おめでとうございます。

また、保護者の皆様には、お子様のご入学を、心よりお喜び申し上げます。

わが富士北稜高等学校は、校名のその名が示すごとく、富士山の北、東西の稜線がすそのまで長く続く、雄大な富士を間近に眺めるこの場所に、平成16年学び舎を定め、爾来、今年で15回目の春を迎えました。郡内地域初の総合学科高校として、どんな困難に遭っても屈することなく、営々と努力し、新たな道を切り拓いていこうという強い決意と情熱が込められた、校訓「明日を拓き 未来を創る」を礎として、「個性および能力の伸長に努め、生徒一人ひとりの進路実現を図」り、「地域に貢献できる人材を育成する」ことを、具体的目標として掲げてまいりました。十四年間、特色にあふれる教育を積極的に進めつつ、着実に、一歩一歩、成長・発展を遂げてきた高等学校です。

この間、3千有余の卒業生を送り出し、卒業生の多くが、ここ富士北麓地域をはじめとした郡内地域を支える、まさに有為の人材として活躍しております。このことは、地域との連携に力点を置いた教育を進め、「地域一番校」を標榜する我が校の誇りとするところであります。

新入生の皆さんは、中学校生活を終え、今日、高校に入学した訳ですが、さて、高校生という時代は、人の一生の中で、どのような時代なのでしょうか。私は、高校生の時代は、人生の出発点、すなわち座標軸の原点であると考えます。高校卒業後の進路選択は、これまで以上に、人それぞれの判断を迫られ、それぞれの人生の旅に大きな影響を与えることになります。

ここで、座標軸の原点にいる新入生諸君に、高校生活を始めるにあたり、私は、三つの言葉を示したいと思います。

一つ目は、「自らを知る人になれ」です。

人生について考える出発点は、「自分自身を知ること」です。ギリシアの哲学者ソクラテスの「汝自身を知れ」(あなた自身のことを理解しなさい)という言葉は、2千4百年以上も前の古い言葉ですが、いまなお、我々に人生を考える際の出発点を示してくれています。

現代は、グローバル化が進み、一人一人の高い能力が強く求められる社会です。私が、40年前に過ごした高校生の時代とは、大きく変わってしまっています。

そんな中、昨今、生きづらさをかかえる若者が増えてきていると言われています。

自らの進むべき道を見つけることに苦しむ時があるかもしれません。そんな時には、自分自身についての理解が大切になってきます。とりわけ、自分自身の強み・よい所を理解し、その強み・よい所を活かす方向に、伸ばす方向に、進路をとることだと考えます。

二つ目は、「さわやかな人であれ」ということです。

さわやかさは、若者だけの特権です。

さわやかな人は、周りの人の心をさわやかにしてくれるものです。さわやかさの価値は、ここにあります。

高校に入学したならば、自分だけよければよい、といった小さな考えから抜け出していかなければなりません。他の人をさわやかな気持ちにさせるためには、明るい気持ちにさせるためには、また他の人のために自分ができることは何かなど、他者との関係性のなかで、自分の行動を見つめなおし、人間として成長していくことが求められます。

そのために、新入生諸君に、まず、「さわやかな人であれ」と呼びかけたいと思います。

三つめは、「基礎的なこと・基本的なことを、確実に学ぶ人であれ」ということです。

最近、入学生のみなさんと同年代の、卓球選手や将棋の棋士が大活躍しています。これまでにないくらいに高いレベルであり、日本でもトップクラスの活躍を見せています。新入生諸君は、彼らの活躍を、どのように見ているでしょうか。

私は、こう思っています。この卓球選手や将棋の棋士も、始めたばかりのころは試合に負けて悔しがったりする、ごく普通の選手であったのではないかと。

彼らは、負けた悔しさをバネに、基礎的・基本的な技術を確実に、繰り返し学んで、少しずつ実力をつけていったに違いありません。一足飛びに天才になったのでは全くないという風に私は思います。

基礎的・基本的な学びを大切にすれば、もう一段上のレベルに進むことができます。もう一段上の楽しみを見つけることができます。

基礎的・基本的なことの学びは、これまでとは違った世界へと諸君を導いてくれるのです。

さて、申すまでもなく、教育は、家庭、学校、地域が緊密に連携し、歩調をあわせてはじめて十分な教育効果を上げることができます。

保護者のみなさまにおかれましては、ご子弟の健全な成長と豊かな個性を育てるために、ぜひ、本校の教育方針をご理解いただき、絶大なるご支援とご協力を賜りたいと存じます。

終わりになりますが、ご多用の中、ご出席くださいましたご来賓のみなさま、本校の教育活動に対しまして、今後ともお力をお貸しいただき、旧来に増してのご指導・ご援助をお願い申し上げます。

新入生の諸君、いよいよ出発の時が来ました。皆さんの、高校3年間での人間的成長と3年後の進路実現を期待しまして、式辞といたします。